湯倉神社のなでうさぎ(北海道函館市)


は~るばる来たぜ、はーこだってへーー♪

ということでやってきました、北海道は函館です。季節は3月ですので、まだ雪が残っていて寒い・・・。しかし、こちら函館にも素晴らしい神兎がいらっしゃると聞いております。

函館山からの眺望

おなじみの函館山からの景色は良いですね。両方から海がせまって海岸線は弧を描き、中央でくびれる。元は函館山は島であり、島と陸地との間に砂がたまることによって陸地とつながりました。これは陸繋砂州(トンボロ)と呼ばれ、函館の街はこの上に広がっています。夜景はもっと美しいはず。今回は飛行機の都合で昼に登りました。

こちらの景色の右奥の方、湯の川温泉の方へ向かいます。

市電の終点湯の川

路面電車である函館市電で、湯の川を目指します。湯の川は終点。

湯倉神社外観

市電停留所の交差点、斜向かいに今回の目的地である湯倉神社は鎮座します。「ゆのくら」と読みます。台地になっており、ここから陸側の高台になっていく、まさにその先端です。

湯倉神社 正面

鳥居前まで来ました。由緒書があります。

この地に550年も前に温泉が発見され、キズついた熊が入っていたという伝説があり、昔の人は湯は神様からの授かりものとして元和三年(1617年)ころより湯座に薬師様を祭っていた。承応二年(1653年)松前千勝丸(のちの九代藩主高広公)難病のおり、母清涼院が夢告でこの湯の存在を知り湯治して全快したので清涼院は喜んで翌年に社殿を改築、薬師様(五寸四分)と唐金作りの鰐口(径六寸三分)とを献納した。後当社は広く世に知られるようになった。

~「神社前由緒書」より~

ここ湯の川は函館の温泉地で、周囲には大きな温泉旅館が点在しています。どうやら温泉街になる原点と言える神社で、当初は「薬師様」を祭っていたらしい。由緒書によると御祭神が、

祭神 大己貴神(おほなむちのかみ)
少彦名神(すくなひこなのかみ)
稲倉魂神(うかのみたまのかみ)

となっています。
薬師様と、大己貴神・少彦名神が習合している例は、茨城の大洗磯前神社でも見られます。薬師如来はスサノオ・牛頭天王と習合することも多いのですが、「薬」のイメージは、因幡の白うさぎを助けた大巳貴神(大国主大神)や、国造りに協力し薬学にも精通していた博識の少彦名神とよくつながります。

湯倉神社 境内

階段を上り鳥居をくぐって、すっきりとした境内へ。

湯倉神社 社殿

正面の社殿まで来ました。お参りをしまして、右に目を移すと・・・

湯倉神社 なでうさぎ神兎

で、でーん、と石造りの神兎が鎮座。
この重量感。お顔と手足のの迫力ある作り込み。強烈なパワーを感じます。

湯倉神社 なでうさぎ 全体

台座には「神兎」と刻まれております。当HPでは呼び習わしておりますが、実はこのように「神兎」と称している神社は珍しく、多くの“神兎”は、寺社の眷属であったり装飾であったりして「神兎」とは呼ばれていません。その意味で、格が高い神像です。

せっかくなので、激写!

湯倉神社 なでうさぎ 前から

前から。地をしっかりと掴む脚。

湯倉神社 なでうさぎ

斜めから。天を迷いなく見つめるお顔。

湯倉神社 なでうさぎ 横から

横から。がっしりとした腕と太腿。

湯倉神社 なでうさぎ 後ろから

後ろから。逞しく頼もしい背中。尾の愛らしさの中にすら、鋭い力が込められています。
すべての角度で凛々しい。

湯倉神社 なでうさぎ

のぼりには「なでうさぎ」とあります。

「大己貴命(別名 大国主命)」と「うさぎ」

ご祭神の大己貴命(大国主命)と「うさぎ」は御神縁深く、神話「因幡の白うさぎ」において、過ちを犯し体に傷を負った「うさぎ」が、大神様のご慈愛を受け、健やかなる体に蘇り、悪しき心をも改心されたと伝えられており、依頼、『吉報』を伝える芽出たい「神獣」とされております。

「神兎(なでうさぎ)」

神話「因幡の白うさぎ」に因み、ご祭神の御神徳を広くご参拝の皆様にお受けいただきたいと願い、当社創建360年(平成二十六年)を記念しご神前に設置致しました。
拝殿正面にて参拝された後、御自身のお願い事を記念しながら「うさぎ」を撫でて、宏大無辺なる大神様の御加護をいただきましょう。

~「神兎の由来」(像脇に設置)より~

はい。なでて御加護をいただきます。

絵馬所

隣には絵馬所があります。神兎の絵馬が多数かけられています。

湯倉神社 飛躍守

社務所にて求められる「飛躍」と描かれた絵馬と「飛躍守」お守りのセット(初穂料1000円)。高く跳ねる兎のように飛躍できるように、多くの人が祈りを捧げています。

こちらは別バージョン(前のバージョン?)の「飛躍御守」。

神兎研の飛躍を記念しまして、神社を後にしました。

さて、ちょっと川に沿って海に向かいます。
「湯の川」は、アイヌ語で既に「ユッ(湯) ペッ(川)」と呼ばれていたようです。アイヌは動物や自然そのもの全てに“魂”が宿っていると考えていました。そのうち神威が高いものを「神(カムイ)」と呼んだそうです。湯が湧き、体を癒やす川にもきっとカムイを見ていたに違いありません。

またうさぎのことをアイヌでは「イセポ(イーッと鳴く小さいもの)」と呼びました。もともとは神の名前だったとも。
実は、アイヌの漁師の間では「イセポ」は忌み語でした。「イセポ テレケ(ウサギが飛ぶ)」は海の波濤がうさぎのように跳ね、海が荒れる予兆と捉えられていたそうです。

神の名であり、また海では自然の猛威の兆しとされる「イセポ カムイ」。北海道においては畏れ敬われる対象だったのです。

日帰り立ち寄りで「湯の浜ホテル」へ。露天風呂からは、津軽海峡と太平洋が見えます。五稜郭へ転戦した新選組の榎本武揚もこの湯に入ったとか。北海道の海はやはり少し寂しく感じます。

が…、その海の恵みは潤沢です。

函館でも屈指の寿司の名店「鮨処 木はら」。こちらも湯の川温泉にあります。

本マグロ漬けとろ、毛蟹の握り、蝦夷穴子、そして、うに。
感動的うまさでした。

北海道に来るといつも食材の豊かさ、自然の大きさに圧倒されます。

また「イセポ カムイ」に会いに来たいと思います。

(参拝:2016年3月)


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